フジタ ユウイチロウ
FUJITA YUICHIRO
藤田 裕一郎 所属 朝日大学 経営学部 経営学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2025/03 |
形態種別 | 研究論文 |
標題 | 協同学習を取り入れた読解授業の実践 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 朝日大学留学生別科紀要 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 朝日大学留学生別科 |
巻・号・頁 | (22),3-11頁 |
総ページ数 | 9 |
概要 | 本実践では、自身の中上級の読解の授業を振り返り、学習者が個人で取り組みがちであること、時間の余裕がないことについて、授業設計を改善し、実践した。授業改善にあたって、協同学習法の一つであるチーム基盤型学習(Team-Based Learning、以下、TBL)の技法を取り入れて授業設計を行った。授業は、①予習による事前読み学習、②予習成果を確認する問題、③内容確認と内容に関する意見交換、④読解個人テスト、⑤読解チームテスト、⑥読解後の意見交換とディスカッションの順で行った。学習者は6名で、本実践は15回の授業の中で読解を扱った5回の授業で行った。
この授業実践を、読解テストの点数、学習者アンケート、教師の振り返りの3点によって評価した。読解テストでは個人テストとチームテストを行い、それを比較したところ、5回中3回は個人テストよりもチームテストのほうが結果が良くなったが、1回は同点数、1回は下がるという結果になった。学習者アンケートでは、学習法について5段階評価で問うた項目や記述項目では、おもしろかった、よく学べたと、肯定的な意見が多数を占めた。一方、チームで読解テストに取り組むことで理解が深まったかという問いに対しては、半数が「ふつう」と答えた。教師の振り返りでは、学習者の発話数が増えて授業に活気が出たが、一部予習をして来ない学生も見受けられたと振り返った。これらの結果から、本実践は、予習と確認テストを組み合わせることで授業内の読解時間の短縮ができること、TBLの技法でチーム読解を行うことで授業に活気が出て、前向きに取り組める点で心理的な効果があることが分かった。その一方で、文章読解に関する理解に大きな貢献していない可能性も示唆された。 |