マツシタ タカヒロ   MATSUSHITA TAKAHIRO
  松下 貴裕
   所属   朝日大学  歯学部 口腔病態医療学講座 口腔外科学
   職種   助教
発表年月日 2022/11/05
発表テーマ tumor budding観察による舌癌と潜在的リンパ節転移との関係
会議名 第24回SNNS研究会学術集会
学会区分 研究会・シンポジウム等
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
国名 日本
開催地名 石川県金沢市
開催期間 2022/11/04~2022/11/05
発表者・共同発表者 松下 貴裕,松塚 崇,江原 雄一,長縄 鋼亮,住友 伸一郎,村松 泰徳,長谷川 泰久
概要 目的:早期舌癌の特徴として、頸部リンパ節転移は術前評価と術後病理で完全に一致しないこと、N0症例における頚部郭清術の適応の基準が明確化されていないこと、そして潜在的リンパ節転移がみられることなどが挙げられる。今回われわれはtumor buddingに着目し、当施設における舌癌舌部分切除例を対象に、TB数と術後後発転移との関係を調査することで、TBの予後予測因子としての臨床的意義を検討した。

対象・方法:2017年から2021年までに朝日大学病院にて手術を行った舌癌cT1N0・cT2N0の12例を対象とした。原発巣の標本をパンサイトケラチンにて染色し、200倍の視野の中で最も多いTB数を計測し、TBが0個をlow grade、1個から4個をIntermediate grade、5個以上をHigh gradeと分類した。それぞれの症例の臨床経過と、TBの各gradeと予後との関係を調べた。

結果:low grade群は7例、Intermediate群は2例、High grade群は3例であった。い
ずれの標本において,術後頸部リンパ節転はlow grade群およびIntermediate群では認めず,High grade群の3例中2例で認めた。また、3年頚部無再発割合はlow grade群で100%、Intermediate群では80%、そしてHigh grade群では50%であった。YK分類では術後後発転移例ではYK3もしくはYK4Cであり、胞巣近くにTBがみられた。

結論:当院での結果からも、術後頸部リンパ節転移予測における客観的評価の一つにTBが有用である可能性が示唆された。