ヤスオ トシアキ
YASUO TOSHIAKI
安尾 敏明 所属 朝日大学 歯学部 口腔機能修復学講座 口腔生理学 朝日大学 大学院 歯学研究科 職種 講師 |
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発表年月日 | 2023/09/18 |
発表テーマ | カプサイシンはマウス味覚神経応答を糖特異的に増強する |
会議名 | 第65回歯科基礎医学会学術大会/シンポジウム |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | ポスター |
単独共同区分 | 共同 |
開催期間 | 2023/09/16~2023/09/18 |
発表者・共同発表者 | 岩田 周介、吉田 竜介、髙橋 慎平、安尾 敏明、諏訪部 武、硲 哲崇、二ノ宮 裕三 |
概要 | 香辛料は食のおいしさを際立たせる独特のフレーバーを醸成し、食味構築に重要な役割を果たすが、その味覚効 果の実体は未だ不明である。唐辛子辛味成分カプサイシン (CAP) は三叉神経末端に存在する痛み受容陽イオン非 選択的イオンチャネル TRPV1を刺激することは明らかになっているが、味覚への影響に関しては、ヒトで、全く 影響はないとする報告から、苦味を感じる、甘味うま味などに修飾を生じたとするものや、齧歯類の味細胞味神 経応答の解析で、苦味甘味の低下、うま味の増強、塩味の増強や低下など、相反する結果も含め多種多様の報告 がなされている。しかし、これらの報告の多くは、 TRPV1の感受性低下(脱感作)を生じる30µM以上の CAPを用いており、味覚測定の再現性の問題も強く示唆される。本研究では、脱感作を生じる可能性の低い 0.1~10µMCAPの味覚への影響を、マウス鼓索神経応答を指標に検索した。その結果、この濃度範囲で は、鼓索神経に有意な活動変化を生じないことがわかった。次に、甘・塩・酸・苦・うま味溶液と、それらの 3µM CAP混合液に対する応答を解析した。結果、単糖類及び二糖類や NaClの応答が有意に増強され、人 工甘味料や他の味物質に対する応答には変化がなかった。さらに、 TRPV1阻害薬 I-RTX舌処理により、糖、 NaClに対する影響は消失した。軸索反射関連ペプチドであるアドレノメデュリン(ADM)は、糖輸送体を介し糖特 異的にマウス鼓索神経応答を増強する(投稿中)。糖輸送体阻害薬フロリジン、及び ADM受容体阻害薬 AM(22- 52)により、 CAPによる糖応答の増強が消失した。 CAPが TRPV1を介して味覚に影響を生じると仮定すると、味 細胞に TRPV1が発現し、その活性化による直接的な効果、あるいは三叉神経末端の TRPV1を介し軸索反射で分泌 された ADMによる味細胞への間接的な影響などが予想される。 |