タジリカ トシヒロ   TAJIRIKA TOSHIHIRO
  田尻下 敏弘
   所属   朝日大学  歯学部 総合医科学講座 外科学(朝日大学病院)
   職種   准教授
発表年月日 2018/03
発表テーマ RNA-helicase DDX6 positively regulates the translation of HER2 and FGFR2 in gastric cancer cells
会議名 第51回制癌剤適応研究会
学会区分 全国学会
単独共同区分 共同
発表者・共同発表者 田尻下敏弘、徳丸剛久、今井健晴、棚橋利行、今井寿、田中善宏、松橋延壽、髙橋孝夫、山口和也、二村学、吉田和弘
概要 Human DEAD/H-box RNA helicase geneであるDDX6(別名RCK/p54)はB細胞リンパ腫細胞株であるRC-K8から単離されたt(11:14)(q23:q32)転座の責任遺伝子である。多くの癌腫において翻訳開始、pre-mRNAのスプライシングなどRNA二次構造の構築を含む様々な細胞プロセスに関与している。しかしながらその詳細な調節機構、役割については不明な点も多い。
我々はこれまでDDX6が様々な癌細胞株、大腸癌臨床検体において高率に発現していること、癌遺伝子としての役割について報告してきた。
胃癌では数多くの遺伝子異常amplification(HER2:22%、KRAS:9%、FGFR2:6%、MET:2%、EGFR:2%)、mutation(PI3K:10%、HER2:5%、KRAS:4%、BRAF:2%))が報告されている。
本研究では胃癌臨床検体を用いDDX6の発現、HER2、FGFR2の発現を検証し腫瘍組織では優位にDDX6が高発現していること、興味深いことにHER2,FGFR2高発現検体で高率にDDX6の高発現が確認された。
RIP(RNP Immunoprecipitation)-assayにより、DDX6がHER2、FGFR2に対してRNA-binding Proteinとして働いており、DDX6がHER2、FGFR2遺伝子のmRNA翻訳レベルでの制御を行っていることを確認した。これらの新たな知見は胃癌においてDDX6が新たな分子マーカー、創薬シーズになる可能性を示唆している。