タジリカ トシヒロ   TAJIRIKA TOSHIHIRO
  田尻下 敏弘
   所属   朝日大学  歯学部 総合医科学講座 外科学(朝日大学病院)
   職種   准教授
発表年月日 2021/11
発表テーマ 透析患者に発症した多発肝嚢胞感染による敗血症性ショックに対して緊急手術により救命し得た1例
会議名 第49回日本救急医学会
学会区分 全国学会
単独共同区分 共同
発表者・共同発表者 田尻下敏弘、白井知佐子、山川弘保、八十川雄図
概要 【症例】
80歳女性、常染色体優性多発性腎嚢胞(ADPKD)による慢性腎不全のため13年前より血液維持透析中であった。右腰背部痛、39度台の発熱を認め前医入院加療開始し抗菌薬投与(MEPM、MINO)されたが改善ないため第16病日当院へ転院となった。血液培養結果は陰性であった。CT検査では肝背側に正常肝を残すのみで肝嚢胞を無数に認め、MRI拡散強調像での高信号より炎症の存在が疑われ、多発肝嚢胞感染を疑い抗菌薬治療(MEPM、VCM)を継続するものの第18病日、敗血症性ショックに陥った。全身状態の悪化が進むため(APACHⅡ:33・SOFA score:17)、第20病日多発嚢胞感染に対し手術の方針とした。
【考察】
ADPKDでは肝嚢胞が高率で生じることが知られている。肝嚢胞感染は診断に難渋することが多い。自験例では重篤な状態に陥りASA-PS:4Eの状態で手術に臨み集学的治療により救命し得た。
若干の文献的考察を加えて報告する。