スワベ タケシ
SUWABE TAKESHI
諏訪部 武 所属 朝日大学 歯学部 口腔機能修復学講座 口腔生理学 朝日大学 大学院 歯学研究科 職種 准教授 |
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発表年月日 | 2023/09/17 |
発表テーマ | 酸に対する味覚嗜好性、リック率、鼓索神経応答及び味覚関連遺伝子にビタミン C欠乏が及ぼす影響 |
会議名 | 第65回歯科基礎医学会学術大会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
単独共同区分 | 共同 |
国名 | 日本 |
開催地名 | 東京 |
開催期間 | 2023/09/16~2023/09/18 |
発表者・共同発表者 | 安尾 敏明、髙橋 慎平、岩田 周介、諏訪部 武、硲 哲崇 |
概要 | 動物は酸味を利用して、腐敗した食物を忌避したり、ビタミンやミネラルを含む食物を選択すると考えられている。本研究では、アスコルビン酸(ビタミン C; VC)欠乏時の酸に対する応答を調べるため、ヒト同様に VC合成能がない Osteogenic Disorder Shionogi/Shi Jcl-od/odラットを用いて行動学的、神経科学的、解剖学的、分子生物学的実験を実施した。48時間2瓶選択実験(3 mMクエン酸または10 mM VCと蒸留水)の結果、 VC欠乏時では、これら酸味溶液に対する嗜好率(=酸味溶液摂取量÷総摂取量×100)が、 VC充足時よりも高くなっていた。また、酸味溶液[ VC、クエン酸、酢酸、酒石酸、塩酸]に対するリック率(=各種溶液のリック数÷蒸留水 のリック数×100)は、 VC欠乏前及び VC再摂取後と比べて、 VC欠乏時は有意に高かった。次に、 VC欠乏 ラットと VC充足ラットの各酸に対する末梢味覚器での電気生理学的応答を評価するために、鼓索神経応答解析を行った。その結果、 VC、クエン酸、酢酸、酒石酸及び塩酸に対する神経応答は、 VC欠乏ラットでは、 VC充足 ラットに比べ、有意に低下していた。また、単位面積当たりの茸状乳頭味蕾数は、 VC欠乏ラットと VC充足 ラットとの間に有意差はなかった。しかし、 VC欠乏ラットの茸状乳頭味細胞における一部の味覚関連分子( Gnat3, Trpm5, Tas1r1, Car4, Gad1)の mRNA発現レベルは、 VC充足ラットのものと比べて有意に低かった。以上の結果から、 VC欠乏により、酸に対する忌避行動は減少し、酸に対する鼓索神経応答が低下することが示唆された。また、 VC欠乏により、茸状乳頭味細胞において、いくつかの味覚関連遺伝子はダウンレ ギュレートされるが、酸味受容体(OTOP1等)の mRNA発現量は、 VC欠乏による影響を受けない可能性も示した。 |