エハラ ユウイチ   EHARA YUICHI
  江原 雄一
   所属   朝日大学  歯学部 口腔病態医療学講座 口腔外科学
   朝日大学  大学院 歯学研究科
   職種   講師
発表年月日 2020/04/16
発表テーマ 開窓療法により下顎区域切除を回避できている広範囲な歯原性角化嚢胞bの1例
会議名 第74回日本口腔科学会学術集会
主催者 日本口腔科学会
学会区分 全国学会
発表形式 ポスター
単独共同区分 共同
開催地名 新潟(インターネット開催)
発表者・共同発表者 江原雄一、鵜飼 哲、松原 誠、高橋 萌、篠島一将、笠井唯克、村松泰徳、住友伸一郎
概要 患者は57歳、女性。2013年6月ごろより左頬部腫脹ならびに下顎左側大臼歯部の腫脹を自覚し近歯科医院を受診。下顎左側大臼歯部透過性病変の指摘を受け精査目的で2013年7月に当科紹介受診。パノラマX線写真ならびにCTにて下顎右側4番から下顎左側8番にかけて下顎下縁に至る境界明瞭な多房性の骨透過像を認めた。生検にて歯原性角化嚢胞の病理診断を得た。病変の大きさ、年齢等も考慮し下顎区域切除術と再建術を提示したが本人から同意得られず、開窓療法にて縮小がみられれば摘出術を行うことを選択。2013年8月、全麻下で開窓術を行った。下顎右側小臼歯部、下顎左側前歯部および下顎左側大臼歯部を開窓、隔壁は可及的に除去し嚢胞を単腔化した。その後、洗浄による経過観察を継続したところ骨透過部は縮小を認め摘出術を推奨したが、患者は引き続き開窓部から洗浄を希望した。
現在、開窓後6年経過するが前歯および下顎左側大臼歯根尖部に一部歯冠大の骨透過像を認めるまで縮小し下顎区域切除術は回避できている。しかしながら、本疾患は高い増殖能ならびに再発傾向を示すことから引き続き注意深い経過観察が必要であると考える。